玉緒の日記

日々是流々

結婚式に出席

昔の知り合いの結婚式に参列。

 

正直、参加する側としては退屈極まり無いのだけれど(失礼!)、結婚式の主役たる本人たちにとっては一つ一つ結婚に向けて準備をしてきた過程と結婚式という晴れ舞台を経験したという事実がおそらくは今後の二人の人生で大きな意味を持つものだろうと考えると、感慨深いものがある。

 

昔、武士が元服を行うことによって、瞬間的に子どもから成人への変身を遂げたように、結婚式という儀式はある種の通過儀礼であり、他人同士から夫婦へと瞬間的に(というか瞬間的だからこそ可能な)変身を遂げる大切な意味を持つものなのだろう、と勝手に推測する。であるならば、そうした事実性を可能たらしめるある種のトランス状態が場に必要なのだと思えるのだけれど、そうした境地に至るにはそれなりに準備がいる。聞くところによると結婚式の準備は莫大な時間と労力がいるらしいのだが、これは儀式のための禊であり、これを経験したことによって初めて結婚式という祭事の中でやっとトランス状態に入れるのかも知れない。

 

そう考えると、泣くほどに感極まる主役と、それを取り囲む客人たちとの間に熱に差があるのは仕方ないことなのだろう。昔、「男はつらいよ」の中で寅さんの妹が結婚式を挙げる場面があったかと思うが、あれは主役も客人もが一緒くたになってアーダコーダとワイワイやっていて見ているだけで楽しそうだった。僕の行く結婚式は大体がかしこまった形のもので、これはこれでスマートな雰囲気で良いとは思うが、本来は客も主役と同様にぐちゃぐちゃになりながら楽しむのがカオスな雰囲気を作り出し祝祭的な空気を場の皆が共有できて、大きな事実性を打ち立てるのだと思う。

 

ところで、過去にもらった引き出物で一番嬉しかったものは、二人の手作りのお菓子。クッキーをかじると二人の温かい幸せを分けてもらえたようで、心がほっこりとしたのは今でも良い思い出。